VOL. 015
カバの日、その素顔に魅せられて
UPDATE
2月15日は「世界カバの日(World Hippo Day)」。
ブランド名であり(ヒポポタマス=カバ)、エンブレムとしてアイテムを彩っている動物ですから、わたしたちにとっても特別な1日です。
水辺を好み、1日のほとんどを川や湖の中で過ごすため、物語の世界ではおっとりしたキャラクターで描かれることの多い動物ですが、実際は全く異なり、パワーに溢れ知的さものぞかせるといいます。 今回のコラムでは、ワールド・ヒッポ・デイにちなんで、カバのさまざまな側面に触れてみたいと思います。
クジラとカバは仲間だった
カバの特徴といえば、やはり大きな口と、つるりとした巨体でしょう。分類学でいうと鯨偶蹄目。最近の研究では、クジラに一番近い動物はカバで、祖先が近縁であることがわかってきました。確かに、ツルツルとした無毛の皮膚や、ほぼ一日中を水中で暮らしつつ、出産も水の中で行うことなど、二つの哺乳類には共通項がたくさん。かつてクジラは4本足だったとされており、水陸領域を行き交う、まさにカバと似た暮らしぶりだったようです。
そんなカバは、水の中での暮らしに適応した身体的特徴があります。筋肉が発達した耳や鼻をピタリと閉じ、5、6分ほど潜っていられること。皮膚が厚く3~5cmもの脂肪を蓄えており水に浮きやすいこと。さらには、鼻・耳・眼が一直線に並んでいるため、水中から顔をちょっとだけ出し、周りを偵察できること。(まるで忍者かスパイみたいで可愛いですよね。) また、毛のない皮膚を日焼けから守るため、赤い汗のような物質で保湿・殺菌していることもわかっています。
動物界最強と言われるわけ
昼間はほぼ水の中にいるカバも、日暮れの頃には草を食べるために陸へ移動し、一晩で約35キロもの草を食べます。しかし、油断は禁物。陸上で脅威を感じると一目散に走って逃げます。そのスピードは約30~40km。時には50km/といい、人間に匹敵するほどの速さ。水中では天敵らしい天敵はおらず、陸でも素早く動ける。カバが “動物界最強”という説があるのも、合点がいきます。
古代エジプトでは出産の神
少し趣向を変えて、古代にも目を向けてみましょう。「タウエレト」とは、カバの姿をしたエジプト神話の女神。 家庭と出産を守る象徴と考えられ、枕やベッド、ミルクの壷などには、カバのモチーフが好まれたといいます。子供を生み育てる優しさだけでなく、ライオンでさえも追い払う力を有している神だったとされ、まさに、水中では穏やかさを見せ、陸では猪突猛進に走るカバの特徴をよく捉えた神だと言えます。
そんな個性あふれるカバに魅了され、作品に書き綴る人も。俳人の坪内稔典は、カバを詠んだ句の多さで知られています。 【桜散る あなたも河馬に なりなさい】は、桜の木の下で悠然と泳ぐカバが目に浮かぶような一句。本物のカバを見に、動物園へ足を運びたくなったのではないでしょうか。
エンブレムにもご注目を
ヒポポタマスのネーミングは、創業者が子供の頃からカバが大好きだったことに由来しています。考えてみれば、水を好むというところはカバもタオルも一致しています。ワールド・ヒッポ・デイの2月15日は、ぜひお手持ちのヒポポタマスのアイテムのタグにも注目してみてください。